受験の基礎 - 都立高校受験
都立高校の入試は大きく分類すると、「推薦入試」と「一般入試」に分けられます。
普通科は募集定員が男女別に決められていますが、専門学科、総合学科、普通科のコース制・単位制は男女合同の選抜となっています。
推薦入試
都立高校の推薦入試は、
- 学力テストがない
- 一般入試よりも早い1月下旬に行なわれる
上記の2点の理由により、人気が高く競争率が激しくなります。また、推薦入試には「一般推薦」と「文化・スポーツ等特別推薦」があります。文化・スポーツ等特別推薦とは、特定の科目や文化活動、スポーツ種目等の実績や技量が高い生徒を募集する推薦制度です。
都立高校の推薦入試の募集人数は、普通科で募集定員の20%(コース制30%)まで、専門学科、総合学科などでは30%(商業科は20%)までとなっています。
都立高校の推薦入試はどのような方法で選抜されるのか
面接・集団討論
全校で個人面接と集団討論が実施されます(エンカレッジスクールは個人面接のみ実施)。
個人面接の時間や面接官の人数などは各高校によって異なります。集団討論の実施方法も高校により様々ですが、受験生5~6名に対し30分程度の時間を設ける高校が多いようです。
作文・小論文・実技などの検査
面接・集団討論の他に、作文・小論文・実技などの検査から1つ以上実施されます。 どの検査を実施するかは各高校によって異なります。
調査書、個人面接及び集団討論、作文・小論文・実技等の検査は、各高校が定めた基準により点数化され、その合計点によって選考されます。その際、総合成績に占める調査書点の割合の上限は50%までと決められています。各高校により調査書や検査の配点は異なります。
過去の推薦入試では、調査書(内申点)が合否に大きく影響しました。しかし、現在は調査書の配点の割合が全体の50%までとなっています。また、どの高校でも面接・集団討論のほか、作文や小論文・実技などの検査が必ず実施されるようになっています。
つまり、調査書点でいくら点数を稼いだとしても、面接・集団討論、作文や小論文・実技などの評価によっては合否に大きく影響するということです。逆に考えれば、それらの評価次第では、調査書点の弱点をカバーする事も可能です。
一般入試
都立高校の一般入試は学力検査点と調査書点を合計した総合得点の順位によって、合否が決まります。全日制課程の場合、原則として学力検査点は700点、調査書点は300点、総合得点は1000点満点です。面接や実技を実施する学校ではさらにそれらの得点も加えた総合成績順に選抜されます。
1.調査書
中学3年次の9教科の評定を使用し、下記のように調査書点を算出します。
A.換算内申を算出
入試科目である5教科はそのまま積算し、実技の4教科については学力検査がない為、内申点を2倍で計算します。
※平成27年度入試までは、実技4教科を1.3倍(3教科入試校の場合は社会・理科を含めた6教科を1.2倍)していました(51点満点)が,平成28年度入試から上記のような計算方法に変更されました。実技の4教科の内申点が、より重要になったという事ですね。
B.Aで算出した換算内申を300点満点に換算
2.学力検査
学力検査は、国語・数学・英語・社会・理科の5教科で行われ、各教科100点満点となります。 5教科合計の得点を700点満点に換算した点数が、学力検査の点数となります。 また、平成28年度入試より、採点ミスを防止するため学力検査にマークシートが用いられるようになりました。選択式の問題に限りマークシートでの解答となりますので、事前に練習しておく事をお勧めします。
※定時制課程の入試科目は3~5教科の間で各校が選択、学力検査と内申の比重は「7:3」または「6:4」のいずれかを各校が選択しています。
グループ作成問題実施校について
入試問題は基本的には全校共通ですが、国・数・英の3教科を独自の問題で行うグループ作成問題実施校もあります。
進学指導重点校 | 日比谷・戸山・青山・西・八王子東・立川・国立 |
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進学重視型単位制高校 | 新宿・墨田川・国分寺 |
中高一貫教育校 | 大泉・富士・白鴎・両国・武蔵 |
各グループ内は基本的に同一の問題ですが、各校独自の問題に差し替えられることもあります。これらグループ作成問題を実施する高校は、総じて入試の難易度が高く、非常に狭き門となります。
3.各校独自の検査(面接・作文・小論文・実技等)
一部の高校で実施されます。実施する場合は、点数化して合計点に加えられます。